技術アイドレス

アーミーナイフ(アイテム)

名称=アーミーナイフ(アイテム)

要点=大振りな刀身・握りやすそうな柄・軍人

周辺環境=密林

評価=なし

特殊=

アーミーナイフの位置づけ =側面:個人所有アイテム

アーミーナイフの効果 =所持することでI=Dに乗っていないとき、白兵戦の 攻撃判定は評価+1できる。

アーミーナイフの効果=室内戦闘での白兵戦の攻撃判定は評価+3できる。

→次のアイドレス:・多目的鞘、スコップ、バヨネット、ナイフ格闘術(技術)

【所有者:ぱんくす】http://p.ag.etr.ac/cwtg.jp/bbs2/15876

 

◆SHQ(+2)判定

2008/05/30(Fri) 22:27:27 アーミーナイフ(ぱんくす所持)のHQ判定を行いました。

http://p.ag.etr.ac/cwtg.jp/bbs2/18610

 

http://hastur.sakura.ne.jp/RitualMagic/naihu/ItemArmyKnife00.jpg

 

 一振りの刃がある。

 

 昏き密林、深き暗闇においてなお、折れること無き不屈の刃。

 かの刃を語るにはかの老鍛冶を語らねばなるまい。

 

 その山には独特の戒律を受け継いできた誇り高きマタギ――古の昔より獲物を求め、山々を駆け巡ってきた山の民の里があった。

 枝や藪を払うナタであり、獲物を解体する猟刀であり、料理にも使用される包丁である叉鬼山刀(マタギナガサ)は彼らが用いてた万能の山刀である。

 

 昔からのマタギの山刀(ナガサ)は出刃包丁のようで、かなり大きく使い難いモノであったが、いま少し軽快に使いこなせる様、軍用ナイフとして改良を重ねたのがこの老人の若き日の姿であった。

http://hastur.sakura.ne.jp/RitualMagic/naihu/ItemArmyKnife.jpg

 

 かつては、熟練のマタギならば熊をも護身に倒す事が出来たとも伝わる実用に拘ったナガサは、

 柄の部分が筒状に鍛造された『フクロナガサ』とも呼ばれ、

中空になった柄の中に、釣り糸・釣り針など自力での食料調達のための装備や医薬品を格納出来るだけでなく、

筒の部分に棒を差せば『槍』としてもその威力を十二分に発揮するその刃は、

刀身と柄を一体成型することでバランス性を高め、

鉄条網の切断など工兵的な運用も想定して刃の背に金属を切断する鋸刃を設け、

衝撃を吸収して手首を傷めないよう筒柄にわずかな一筋の隙間を空けて鍛造された。

 鍛えられたナイフは、原生林から採った樹齢三百〜四百年の古木の鞘に収められる。杉は軽く水が染み込まずサビから刃を確実に守る。

 かの老鍛冶によれば、使い始めより何度も研ぎ直して2年目ぐらいからが最高の切れ味が出てくると言う事だった。

 

 マタギ鍛治は山里であり、ナガサの他にも狩猟全般の刃物を造るため、道具、鎌、鍬、ヤスなど様々な技を要求された。

 例えば炭について拘るならば、タタラ製鉄の技法と類似しており、用途によって異なる炭を使うように、材料の木を炭にした時の性質が異なり、火加減にこれをうまく活用する事になる。細工・砥ぎの仕方も独特で秘伝の焼き入れ油や雪解け水を用いるなどの、彼らならではの伝統の口伝があった。

http://hastur.sakura.ne.jp/RitualMagic/naihu/ItemArmyKnife03.jpg

 

 ところで。鍛造(forging)とは、

 金属加工の塑性加工法の一種であり、金属をハンマー等で叩いて圧力を加える事で、金属内部の空隙をつぶし、結晶を微細化し、結晶の方向を整えて強度を高めると共に目的の形状に成形する事である。

 古くから刀鍛冶の技法として用いられ、刃物の品質を向上させる努力に伴い技法が発展してきた。

 それは鍛流線(fiber flow)が連続するために組織が緻密になり、鋳造に比べて鋳巣(空洞)ができにくいので、強度に優れた粗形材をつくる事が出来るからである。

 

そのメリットとして、

・製品の最終形状に近い形状、寸法に成形できるので、材料の節約ができる。

・組織が緻密で、内部欠陥がなく、強度のばらつきが少ない。などが上げられる。

 

本来であれば通常の、しかも『強度・錬度の高い特注のナイフ』を作るに当たっての鍛造工程は、

 

 鉱山師が良質な鉱物を掘り出し――、

 カンナ師(鉄穴)が砂鉄を採集し、砂と分け――

 タタラ師がたたら吹きで、たたら製鉄し砂鉄を溶かし――

 山子は炉の火のため、の炭を焼き――

 刀鍛冶がハガネの塊を鍛造し、刃となし――

 研師が出来上がった刃を研ぎ――

 鞘師が刃に合わせて、鞘を作る――。

 

 ――という非常に多数の手に渡って執り行われるのが通例であるが、かのナイフは全工程をただ一人の手によって作られる。

http://hastur.sakura.ne.jp/RitualMagic/naihu/ItemArmyKnife04.jpg

 

 かつて、名刀は『折れず、曲がらず、切れる』という、三系統の相反するファクターを備えていると謳われているが、

材料工学の側面からは『強度と靭性の両立』として、両立のバランスが崩れてしまわぬよう、構造材料の改良研究が日夜行われており、

『切れ味と強度の両立』に関しては、刃先は硬く芯に向かうと硬さが徐々に下がる『傾斜機能構造』を持つことで圧縮残留応力を刃先に発生させることで実現されている。

 しかしながら、工学的側面として、金属結晶理論の解明されていなかった古代から連綿と伝わる伝統、刀工たちが創意工夫を重ね科学的にも優れた刃物の到達点を成し得たのは、

 理論や言語にならない、見た目、手触り、におい等のメタ情報を伝承する事で、ブラックボックス的な工学を実現しているためである。

 

 現在、この鍛造を受け継いでいるのはこの老鍛冶ただ一人。山の掟や文化を身に付けていなければ、決して扱う事が出来ぬ厳しい伝統の下、最後の職人が精魂込めて鍛えあげる古来からの現存する刃物、そしてプロフェッショナルの狩猟道具として、マタギの誇りを造る鍛冶の魂が込められている。

 

 きっと、その魂は刃から使い手へと伝わるであろう。

 

 ――其の切れ味は。奉書紙の裂き口の如し。

 ――雪の叢消えの如し。

 ――松の葉に雪が積もれたるが如し。

 

 軍は民を護るが為に、災禍を狩る災禍として、務めにある兵士を堅くもしなやかな『刃となす刃』である。

http://hastur.sakura.ne.jp/RitualMagic/naihu/ItemArmyKnife05.jpg

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アーミーナイフ(アイテム)白兵戦+1:室内戦闘+3。

┣多目的鞘(アイテム)

┣スコップ(アイテム)

┣バヨネット(アイテム)

┗ナイフ格闘術(技術)白兵戦の可能、白兵戦+1。

 ┣ナイフ投げ(技術)

 ┣サバイバル(技術)

 ┣水中戦闘(技術)

 ┗狩猟技術(技術)1ターンにつき1生物資源入手。

  ┣罠の開発(技術)

  ┣弓の開発(技術)

  ┣農業開始(技術)

  ┗牧畜(技術)1ターンにつき1食糧入手。

   ┣大型テント(技術)

   ┣鉄条網(技術)

   ┣皮革加工(技術)

   ┗牛乳生成(技術)

    ┣牛乳飲んで大健康(技術)

    ┣ヨーグルト生成(技術)

    ┣チーズ生成(技術)

    ┗牛乳工場(技術)


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Last-modified: 2017-06-19 (月) 21:09:57 (2724d)