L:牛乳生成 = {
t:名称 = 牛乳生成(技術)
t:要点 = 乳,牛,絞り
t:周辺環境 = 牧場
t:評価 = なし
t:特殊 = {
*牛乳生成の技術カテゴリ = 個人技術として扱う。
*牛乳生成の効果 = 食料を1万t消費する。(それ以上消費できない)牛乳7500tを生成する。
}
t:→次のアイドレス = チーズ生成?(技術),ヨーグルト生成?(技術),牛乳工場(施設),牛乳飲んで大健康?(技術)
}
【ぱんくす個人所有アイドレス】
■牛乳生成(技術)
牛乳とは、牛の乳汁のことである。
古くは、紀元前8000〜9000年以上の歴史を持つ飲料である。
牧畜での動物の飼育は、食肉や衣服の製作のために行われてきたが、1日牛を殺して得る食糧と、1日牛から得る牛乳の栄養価は同じだとしても、牛を殺す場合は栄養価を継続的に手に入れることができなくなってしまうため
食の効率的な観点から、牛乳の乳から乳汁を摂取し、食生活に利用する行為『酪農』が行われるようになった。
■牛乳の成分
牛乳の成分としては、
水分、糖質、脂質、タンパク質、ミネラル、ビタミン、カルシウムなどの栄養成分が豊富に含まれており、とくにミネラルは、人間に不可欠である。
ミネラルの中には、カリウム、リン、マグネシウムが含まれており、カリウムは、筋肉の収縮に関係する酵素の活性を調節し、神経信号の伝達や酸素反応の調節などを行い、リンは、骨や歯を作る主な原料となる他に、筋肉・神経機能を正常に保つ効果を行う。
最後にマグネシウムは、骨の構成成分になる他に、体の中のタンパク質合成の調節や、筋肉の収縮、体温、血圧の調節などの生理的な要素にも関与している。
このように、牛乳は高い栄養価を持っており、子供の成長や大人になっての健康に関しても、大変活躍できる健康飲料である。
■牛乳の効果
牛乳の効果は、先に挙げたような栄養価による効果以外にも、夜に摂取することによって睡眠を促す効果がある。
牛乳中のカルシウムには、交感神経の働きを抑制する作用があり、ストレスなどによるイライラや緊張などがあるとき、温めた牛乳を1杯飲んで寝ると、気分が落ち着き安眠へと導くという効果である。
これらの安眠の効果び他に、牛乳中のタンパク質やカルシウムは、就寝中の骨の構成や骨格の形成などに役立つ効果を持つ。
■牛乳の生成方法
牛乳の生成は、以下のような工程で行われる。主にこれらの行為は3日間かけて行われる。
■1日目:
●『搾乳=さくにゅう』
乳をしぼる作業のことである。
乳をしぼる前に、まず牛の乳を出す環境を作ることが重要である。
そのためには、牛に飼い葉を与えなければいけないし、牛にストレスを与えないようにしなければいけない、そしてなにより牛に乳をより多く出させるような刺激を与えなければいけない、そのような牛への気遣いこそが牛乳の品質を向上させるのである。
乳搾りは、まず乳頭の状態を確認することからはじまる。乳頭が痛んでいなければ、乳頭を軽く殺菌し、搾乳を開始する。
殺菌するのは、牛の乳頭というのは、本来硬く閉じられており、ある程度の刺激を与えるためと、衛生面を含めた部分であるためである。
手搾りでは、まず逆流しないように乳頭の付け根を握ってから乳頭全体を握り、乳を搾り出す。
昔は、手袋を使って、手でやっているのであるが、大変過酷な労働であるため現在は、ミルカーと呼ばれる機械を使って搾乳している。
牛の背にベルトをかけ、そこより、牛の腹の下にハンガーをまわし牛の腹の下に吊り下げた形で、乳頭に取り付ける。
ミルカーには1回でどれくらいの目安で搾れるのかを計る計りがついており、牛一頭ごとの1回取れる量を確認している。
搾乳は早朝と夜の2回に分けて行われる。
搾り取った牛乳は、生乳と呼ばれ、そのままミルカーを通して、パイプラインに流れ込み、バルククーラーに運ばれる。
●『バルククーラー』
バルククーラーとは、牛乳の貯蔵庫と冷却機を組み合わせたもので、これを使うことで冷却保存を行う。
冷却保存は、基本、10℃以下。生乳に含まれる細菌が増殖しにくい温度帯で管理される。
冷却保存された牛乳は、次の検査室に運ばれる。
■2日目:
●『検査』
検査室では、先に紹介した乳温の検査の他にアルコールによる検査、細菌数の検査、成分検査、比重検査、酸度検査、抗菌性物質検査などを行う。
これらの検査は、一般的に牛乳工場の受け入れでも行われる検査である。
牛乳に対して、不純物の混入や細菌の検査などが念入りに検査される。
『予備加熱とろ過と清浄化』
これらの検査が行われた後に、牛乳は、ろ過機によりろ過し、牛乳内のゴミや不純物の除去を行われるのである。
このような細やかな処理は、必須で必ずふまえなければいけない工程の1つである。
これらのろ過が行われた後、再び5℃以下に冷却保存され3日目をむかえるのである。
■3日目:
●『殺菌』
3日目、加熱処理により、牛乳中の有害な細菌の死滅や有害な酸素の失活を行う。
これらは摂氏135度から150度で1秒間から3秒間殺菌し、気密性の高いアルミコーティング紙パックやプラスチック容器などに無菌的に充填する、殺菌の効果・効率ともに高いUHT滅菌法を用いて、ロングライフ牛乳(LL牛乳)と呼ばれる。
■『充填』
加熱殺菌された牛乳は、直ちに5℃以下に冷却され、ここで容器に牛乳を充填を行う。
容器に充填されてから、細菌数、成分、風味などの最終検査を行い。
冷蔵庫で10℃以下に冷却し保存する。その後出荷を迎えることとなる。
■最後に
これだけの工程を、牧場1つで行うのは大変難しいが、この牧場では行われている。
その代わり生産量は高くないが、その分大変品質の良い牛乳が生成されることになる。
品質面においては、さすが技術国家の国民ならでは、職人魂あふれる一品に仕上がっている。
SS:
羅幻王国内、羅幻コーチンの養鶏場に程近い場所に牧場を開いた男がいた。
羅幻王国の国民、ぱんくすである。
彼自身、大変風変わりな男で、原始からの人類学を学ぶといって、2週間ほどアーミーナイフ1本で、密林に潜ったり、密林でそこに住む原住民から狩猟技術を教わったり、帰ってきたかと思えば、原住民からもらった家畜を育てて、数を増やし、他国からの食糧輸入に頼る羅幻王国に、わずかばかりだが自給自足による食糧をもたらしたりもした。
そんな彼は、いい加減食肉にも見飽きたのか、家畜が増えて、対応に困ったのかはわからないが家畜の次の運用法に手を出し始めた。
それが牛乳生成である。
現在においても、牛乳は、他藩国でも流通はされていた。
しかし、数々の原始を体験してきたぱんくすにとって、それらは、ただの牛乳に過ぎなかったのである。
そして、気付いた。
きっとこの世界の人たちは、本当の牛乳の味を知らないのだ。
ニューワールドNO.1の牛乳を作ろう。
そう決意したのだ。
リアルタイム時間で約半年以上、ニューワールド時間では3T(3年)以上(実際にそれくらいこのアイドレスを取るのに時間を要している)かけて、計画が開始された、食肉での使用は肉牛に任せ、乳牛を多く増やした。
また乳牛の発育の記録も細かくとり、毎日の牛乳の味を確認した。
足の爪が伸びれば、平衡感覚を保つために、牛の爪切りを行い一頭一頭愛情をこめて育てた。
飼い葉なども一種一種にいたるまで調べ、食べさせる記録などもとった。
研究に研究を重ね、ついに技術を確立した。
技術を確立した朝、ぱんくすは、牧草地を望むテラスで牛乳を飲んでいた。
そして思ったのだ、これが世界の始まりの味だ。
夜明けの味だと……。
ぱんくすは、自らの牛乳に新しい世界の意味をこめて、ニューワールドとつけた。
「牛にゅーわーるど」と……。
――その後、護民官や妖精たちと共に夢魔の脅威から子供たちを護る事になるのは別のエピソードである。
そして、是空共和国大統領もその功績を称え、多いに宣伝したと云われている――