名称:高位西国人+整備士+名整備士+整備の神様
要点: ・ゆったりした服装・灰色の髪・装飾品 ・整備道具・手袋・ツナギ ・帽子・部下
周辺環境: ・王宮・ソファ・大きな団扇 ・整備工場 ・クレーン
評価:
体格0,筋力−1,耐久力0,外見0,敏捷−1,器用4,感覚1,知識4,幸運−1
特殊:
・整備の神様の職業カテゴリ = 派生職業アイドレスとして扱う。
・整備の神様は整備行為ができ、この時、整備判定((器用+知識)÷2)を評価+4補正することを選択できる。補正を選択した場合燃料1万tを消費する。
・整備の神様は破壊された全ての乗り物を整備判定((器用+知識)÷2)の成功で修復できる。通常の整備から難易評価+4すること。
・整備の神様は戦闘前に任意の一機のI=Dの能力に評価+1できる。
・整備の神様が整備した機体は最初の幸運判定時、幸運評価+3される。
次のアイドレス:
・マッドサイエンティスト(職業),妖精の父親(職業),村田彩華(ACE)
・要点:・灰色の髪・整備道具・帽子・ツナギ・手袋
・周辺環境:・整備工場・クレーン
(撮影:グレイ様)
近年、高機能な機械の普及により、故障や誤動作による事故は減少しつつあるが、機械に最もダメージを与えるのは周囲の環境である事に代わりはない。また、その国土の殆どに砂漠と海を抱える羅幻王国の気候、特に塩分と細かい砂塵が機械に与える影響は、決して優しいものではない。その為に、この国の機械は他国のものよりも寿命は短くなるのは当然である。
この機械の故障は、王国の民にとっては死活問題である。本来、人間が生きるに適さない大地に根を張って暮らしているが故に、機械がなければ不便な生活を強いられるばかりか、死に瀕する場合さえある。だからといって、壊れたその都度、機械をいちいち買い換えられるほど庶民の暮らしも楽ではない。
そんな時、頼りにされるのが整備士である。定期的に機械を見回り、問題箇所を修復する。突発的な故障が生じればすぐに駆けつけ、迅速かつ確実に、また良心的な価格で壊れた機械を元通りに戻す。
とは言っても、昨今では前述した機械の高機能化の影響で、修理するものの内容によっては、その腕に応じてそれなりの金額が取られる事がある。国によっては、買い換えた方が安くなるケースも増加の一途となっている。
しかし、羅幻王国においては、整備士の歴史はそのまま羅幻王国の歴史であると言っても過言ではないくらいに長い。その上熟練者も多数存在するので、どんな依頼であろうとも相場自体はそれ程高価にはならない。顧客獲得の為にかなりの値引きをする者も存在するくらいである。その為、他の国からわざわざ修理の為にこの国に訪れる者も少なくなく、この国の一大産業の一つとして大いに貢献しているのである。
余談ではあるが、そのような他国からの顧客に対し、明らかに望外な値段を吹っ掛ける輩もいる。これについては、機械、機器の整備という行為自体が国の一大産業の一つである事から、国自体が総力を挙げて取り締まりをしている。また、公的機関以外にも、昔からある『ギルド』と呼ばれる技術者集団の流れを汲む『整備士組合』と呼ばれる整備士の非営利団体が存在し、悪徳業者の駆逐や産業の隆昌発展に寄与している。
また、羅幻王国の整備士に官民の区別は存在しない。国家お抱えの整備士であっても、依頼さえあれば一般家庭にお邪魔もするし、独立して商売をしている整備士も、有事の際は最前線であろうとも出向する。言われずとも、理想的な官民一体の形を具現しているのである。その理由は後述することにしよう。
そうした中でも当然、修理不可な故障や不具合は存在するし、寿命となればもう修理の施しようがない。その時初めて国民は、それまで働いてくれた機械に感謝しながら、新しいものに買い換えるのである。
整備士という職人は、機械に疎い人間からすれば、あっさりと機械を修復する彼らが魔法使いに見えるであろう。そんな整備士にも技術や経験の差で、色々な者が存在する。ある機械のみに優秀な者もいれば、全ての機械に対応はできるが腕は人並みな者もいる。名整備士と謳われる者もいる。その中でも、とんでもなく常識外れの凄腕……並み居る名整備士の中でも、特に優れた極上の者達が、『彼ら』である。
『彼ら』は、一見すれば普通の整備士となんら変わらない。普段は【ゆったりした服装】や【装飾品】に身を包んだり、会議や打ち合わせなどの時に【ソファ】にだらしなく腰掛けてする者もいる。中には【部下】に【大きな団扇】で扇がせながら作業をする者もいる。しかし、それは腕の優劣ではなく、専らその者の人格ややり方に依存するものである。
外見だけではその両者の差異を感じることは出来ない。いざ機械に対面する時や【整備工場】に入る時、整備士達はそのトレードマークとも言える【帽子】・【ツナギ】・【手袋】などの服装に着替え、油まみれの汗まみれになるのだから。
そう、一般的な整備士と『彼ら』との差異は、やはりその卓越した整備に対する手腕にある。
『彼ら』は、どのような故障も見逃さない。いや、そもそも故障を発生させないのである。
ただ、機械を一瞥しただけで、一見故障に見えない物さえも、その僅かな稼働音や動作の違いを見つけてしまう。そして、すぐさまスパナやドライバー、電動工具、時には【クレーン】等を操作して、機械をこじ開ける。
まだ未熟な【部下】から見れば乱暴に過ぎる手付きで、問題箇所の修復に当たる。しかし、【部下】は知っている。その乱暴な修理は、しかし実際には恐ろしく繊細な物なのだと。その証拠として、『彼ら』が手を加えた機械は、一般的なものと比べて遥かに故障の確率が少なくなり、常識を超えた長い寿命を与えられるのである。
普通であれば、『彼ら』の技術の殆どが経験に裏打ちされたものである為に、才能を持つ者であっても、長い月日を経なければ身につかない。しかし、『彼ら』となるべき人間はその概念すらひっくり返す。機械を愛する心、機械へ傾ける情熱は時の壁を越えるのである。
少し前まで夢に瞳を輝かす少年であっても、数年後には『彼ら』の一員となる者も少なからずいるのである。まさに「男子、三日会わずば刮目して見よ」である……いや、男子に限っての話ではないが。
とは言え、『彼ら』の存在は貴重である。「技術と燃料と船舶の国」であるという、『彼ら』が現れる土壌が整った羅幻王国でさえも、その数は多くはない。その為、『彼ら』の殆どが国営の重要施設に配置されている。これは国家の運営をスムーズに行う為には、そうせざるを得ないからである。それ故『彼ら』は町中で見かけられることはなく、もっぱら【王宮】や発電所、軍事施設や病院などで日々メンテナンスに従事している。
しかし、そんな『彼ら』であっても、依頼さえあればマイ工具箱片手にどこへでも出向くのである。そのフットワークの軽さは驚くべきものだが、『彼ら』のみならず、整備士という職人は本当に「機械が好き」なのであろう。前述した官民一体の具現もこの心意気があるが故なのである。そして、その情熱を妨げるような野暮な人間は、この国には存在しない。その心意気、いわゆる「職人魂」こそが、この国を支えてきた礎の一つなのを知っているからである。
『彼ら』は、前述したように、一見普通の整備士と変わりがない。
故に、もしぱっと見て『彼ら』と思えずに侮辱しようものなら、貴方は周囲の人間から恥知らずと罵られるだろう。
何故なら、人は『彼ら』を畏敬を籠めて<整備の神様>と呼んでいるのだから。
・要点:・ゆったりした服装・装飾品・手袋・ツナギ・帽子・部下
・周辺環境:・王宮・ソファ・大きな団扇・整備工場 ・クレーン
(設定:辰田様)
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