r:下記内容は封印指定とし、羅幻王国華族・士族にしか内容を見る事が出来ないとする。
r:設定国民には準備中なのでまだ見えません。
【みんなの笑顔が一番大事!】
【色々苦労もあるけど、国民みんなが家族や友人と笑い合えて、日々平穏無事に生きていられる世界が大事じゃない。 その為の手伝いをするのが、藩王や大統領じゃないのかな?】
―― 20808002:水冷街を視察した羅幻雅貴の言葉
○羅幻雅貴って誰?
Teraにあるにゃんにゃん共和国の一藩国である羅幻王国の藩王。
性別は女性。 年齢については非公開であるものの、その幼い容姿から十代後半と見られている。
アイドレス1・同時多発爆発において【国土破壊作戦】を決行、これにより獅子心王の号を取得。
なお、このとき言い放った【国民に被害がなければよし、城はまた建てればいい】との発言は、彼女の精神的根幹である『みんなの幸せが一番大事』によるものである。
その精神故か、戦場など、派手な舞台に出る事は少ないものの、内乱時の治安維持から燃料生産地の改築における雇用の増加など、内政を重視する藩王でもある。
この他にも世界に先駆けて船舶を開発、アイドレス1・広島侵攻において貴重な海上輸送能力を提供する先見の明を持つ。
ごく最近では、共和国環状線開発計画に賛同、中央ステーションや旅客列車などが彼女の主導により開発するなど、あまり日の目を見る事の少ないが、国民に密着している内政にて、采配を振るっている。
皆さん、これから私が語るのは、皆様から見れば眉唾ものの、ただの空想と思われるかもしれません。
今、私は、こう思っています。
私は皆様に様々な苦労と心労をかけた藩王でもあり、表舞台に殆ど出ておらず、戦争でもあまり活躍をしていないと言われれば、確かにその通りの者です。
皆様に支えられて生きている私であり、皆様あっての私です。
私が望む事は、【皆が納得できる、幸せになる方向へ世界を後押ししたい】ことです。
色々な軋轢や問題はあるでしょうが、共に協力しぶつかり合いながらも、この世界を一緒に生きる友人として、この世界を歩みたいと。
そう、目指す方向は【皆が幸せになる方法】、その一点だと思うのです。
先日多大なる犠牲を払い、Tera側共和国は共和国天領との交渉の場につく事が可能となり、和議を結びました。
これは双方ともにおける多大な犠牲の上に築かれた和議ではありますが、皆様との対話によって成し得た事です。
私は拙いながらも、この新しい友人を含む総ての人達のために、力を尽くしたい。
【皆が笑顔で、これで良と思う道のり】が大事だと、私は信じています。
理解や和合に向けて努力する事は本当に大事で、とても素敵な事です。
それと同時に、総ての国民を笑顔にする為にも、努力をしたいと思います。
ご清聴、ありがとうございました。
【1:対話の拡大】
各国の護民官様方や法官様方、藩王様や摂政様などを通じて皆様と対話し、より良い共和国を築きたいと思います。
他、目安箱などを設置し、今皆様が一番困っている事を各国の藩王様方や法官様、護民官様など、多くの方と御相談して解決して行きたいと思います。
【2:共和国藩王議会の発足】
共和国は大統領のみによって運営されるものではありません。
共和国大統領に当選したのと同時に共和国藩王議会を発足させ、その議会の発案や承認を元に、共和国を運営して行きたいと思います。
【3:内政大事!】
国民を幸せにするためには内政が大事です。
これをサポートするため、資源開発や燃料資源の流通などを含めたものを見直し、市場を再度解放、流通を促進します。
【4:共和国共通機の復活】
今現在各国で流通している優秀な機体を共和国共通機として採用、各国に流通したいと思います。
これにより、大幅な戦力の強化のみならず、資産の流通、技術や文化など、多くの交流を創るでしょう。
以上、拙いながらもマニフェストとさせて頂きます。
共和国大統領選挙が公布されたころ、私、羅幻雅貴は設計図を開いていた。
「これを修理すれば、少しは生活を潤す事になる、かな。 後は海洋輸送による資源採掘がうまくいけば、もう少しは――」
先日開通式典が行われた鉄道では、雇用口のみならず外貨獲得などの役に立っているのみならず、商業区とも離れているためか、今の時点ではうまくいっている。
それ以外にも見れば、周囲が非常に安定している為か、穏やかな状況で――一言で言えば、平和だった。
「あら、おーさま。 面白いニュ−スよん。 選挙が始まるらしいわ」
「――選挙?」
私の頭に浮かんだのは、候補者の【ポスター】が掲示板に張ってあって、【猫】たちが一杯並んで選挙用の投票箱、つまり【選挙箱】が置かれた【学校の体育館】へと行進していく姿。
――つまりは、投票に行く皆の姿だった。
「共和国大統領選挙よ。 以前取得しようとした事、覚えてるかしらん?」
元摂政かちゅーしゃがウィンクをして話した単語に、少しびっくりした。 そう、この私が選挙に出ようとしていたのは、随分と遠い話だ。
「そうか、しるばーふぁんぐの自殺もあったから、完全に空席になってるのか……」
小さく目を伏せる。 彼の自殺によって散った四千万の民草の命を顧みる事も無く、共和国は新しい光へ走り出そうとしている。 ――弔花くらいは、供えたいものだが。
「ねえ、かちゅさん。 皆仲良くする世界を創る――のが【共和】じゃないの?」
「ええ、そうかもね。 仲良くする仕方はいくつもあるけど――今回の戦争だってそうデショ? あっちに出す犠牲がちょっと多かったケド」
空を見上げて至極あっさりと言い放つかちゅーしゃ。 その横を【猫】や猫士が通って行く長寛な風景の中で、自分の気分だけが落ちて行く。
「いつも、山程の命と山程の血を流して、和議を勝ち取る――でも、和議を結んだ後にちゃんと友好を結んでいる、のかな。 本当はみんなが――国民もそうでない人も幸せに、心から笑顔になるのが一番だと思うのに」
少なくとも、私はそう思っている。 そう思ってぐるぐるし過ぎて、言いたい事も言えずに人に不快を与えた事も山程あるだろうけど、それでも思う。
「もっと皆と仲良くする事が、どうしていけないのかなあ」
子供の論理と言われればそれまでだ。
だが、折角多大なる犠牲を払ってまで講和を結び、判り合おうと踏み出したのに、一歩進んで深い和を結べぬままならば――
それこそ、講和を結んだ彼らをないがしろにする行為ではないのだろうか?
それだけではない。 大局の中で翻弄されながらも、藩国の中でひっそりと生きる一人の国民が大事なのに、それを置き去りにして高みを目指す事に、何の意味があるのか。
「そう。 なら、世界にそれを示しなさい。 獅子心王の号がどういう意味を持つのか。 城より国土よりも――みんなが大事なんでしょ?」
「うん! ――がんばる!」
拳を天に突き上げて笑う。 ――笑顔の環を広げるために。
数日後、羅幻王国国内にて『大統領選出馬』を表明。
羅幻王国獅子心王・羅幻雅貴出馬の報は世界を駆け巡る事となる。