海上(海底)油田〜クロウフィッシュ






 海上にはクロウフィッシュ(crawfish)と名づけられた、深い地層から石油を汲み出す為の海洋プラントが建設された。
 これは旧王城直下から発見された油田形状を鑑みて再調査したところ、以前調査した海洋域の地下よりもっと深い位置にも油田が広がっていることが確認された為である。

海上(海底)油田〜クロウフィッシュ

 このクロウフィッシュは、王城・首都跡地に建設されたハーミットクラブと違って、完全に人里離れた自然の中に孤立する形である。
 なので、オートメーション化がより進んでいると思われがちであるが海上・海中の厳しい環境と目まぐるしい変化に対応する為に、保守点検・運営担当の人員が少なからず配されている。
 それを受けて、そのような人々が快適に過ごせる居住施設や設備が整備・運営されている。
 海中に設けられた施設群はまさに一つの都市船のような様相と構造を呈しており、実際にも船舶と同じように移動が可能である。
 これは、採掘完了後の施設移転と、敵侵攻に際して標的となりやすい施設の退避の双方を視野に入れている為でもある。
 実際にパイプラインや採掘設備の停止・閉鎖を行った上で、採掘物の回収さえ行わなければ実質90分程度で移動体制が整う。もちろんこの際には周囲の環境汚染を防ぐ処置は万全に行われる。
 ここで産出した石油や天然ガスはやはりパイプラインでハーミットクラブへ送られ、精錬所を経て国内国外へ輸送されることになるのである。

キャスター神凪の声による説明