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*王立図書館2F [#x184bc0f]
イベントなどで提出するSS等の文章類を掲示しております。
#contents
**イベント06:募集01読み切りSS [#ye45cc4f]
#br
#hr
#br
***四条 あや様作『羅幻王国文族の憂鬱 〜 比月コウのとあ...
#br
#hr
#br
いつの間にか溜まっていた書類仕事が全部片付いたのは、結...
僕は書類の束を通り掛かったメイドに渡し、丸一日篭ってい...
白亜の廊下をてくてくと歩く。思わずあくびが洩れそうにな...
#BR
「……いかん。帰って寝よう」
#BR
どうにも腐りかかってる自分の意識を宥めながら、一路、宿...
これじゃ不健康とか言われてもしょうがないよなー、とかぼ...
廊下を歩いていると、結構な人数とすれ違った。まぁなにせ...
#BR
「――ちょっと待て。なんだそれ」
#BR
思わず足を止め、僕は呟いていた。来た廊下を戻り、件の部...
すると、
#BR
「あ、やっほー四条君」
#BR
部屋の中央で、テーブルクロスにぐるぐる巻きにされた比月...
とりあえず、ドアを閉めてその場を立ち去ることにする。
しかし、
#BR
「あ、こらー! 無視するなー!!」
#BR
ドアの向こうから非難めいた叫び声が鳴り響き、僕は足を止...
悲嘆に暮れても仕方ないので、僕は再びドアの前に立ちそれ...
部屋の中央にはテーブルクロスに包まれたコウが転がってい...
……頭痛くなってきた。
#BR
「何やってんですか、アンタ」
「ダンスの練習」
#BR
さて。どうしようこのナマモノ。
#BR
「あ、その目は信じてないね?」
「無駄に明察ですね。と言うかどう信じろって言うんですか」
#BR
部屋の中は妙にがらんとしているが、その理由は直ぐに知る...
ちっちっち、とコウは芋虫みたいなかっこうのまま器用に指...
#BR
「分かってないね。コレが共和国最先端の」
「じゃあ行きますね僕」
「ちょ、待ちなさいよ! 人の話は最後まで聞きなさい!!」
「眠いんだよ寝させてよ頼むから僕を巻き込まないでよっ!」
#BR
もう二日ほど寝てないんだよぅ。
そんな僕の嘆願は、しかし目の前の芋虫には聞き届けられな...
ふふん、と何故か偉そうに胸を反らすコウ。
#BR
「そう思うなら私を手伝いなさい?」
「……時々、君と本当に意思疎通が出来てるのか疑問に思うんだ...
#BR
何を手伝わせる気か知らないけど、簡単な内容ならとっとと...
僕の言葉に、そうね、と頷いたコウはしばしば考えるように...
#BR
「とりあえずコレ、解いて」
「やっぱ馬鹿だろアンタ」
#BR
素直に感想を述べると脛に頭突きをされた。
あまりの痛さに蹲る僕。
#BR
「ほら、さっさと解きなさい」
「……」
#BR
逆らわぬが吉。
僕はようやくその結論に至り、コウの身体をぐるりと覆った...
そのままコウは、勢いがつきすぎたのかそのまま壁際まで転...
壁にぶつかったコウは暫くの間ぴくりともしなかったが、や...
と。
#BR
「お?」
#BR
立ち上がったコウの姿を見て、僕は思わず声を洩らしていた...
おでこにでっけぇたんこぶを作って。
……一瞬でもときめいた僕が馬鹿だった。
てくてくとこちらに戻ってきたコウは満足そうに頷くと、
#BR
「てりゃ♪」
#BR
と可愛らしく言いながら僕に小奇麗なアッパーをかましてく...
軽く浮いて盛大にふっとぶ僕。くそぅ、僕と大して変わらな...
ぐわんぐわん揺れる頭で愚痴をこぼすが、そんなのが聞こえ...
#BR
「……で」
#BR
立ち上がりながら問う僕。
色々な意味で限界なのだが、ああ、もう。
#BR
「結局何やってたんですか、コウさん」
「ん? だから、ダンスの練習」
「何でまた唐突に」
「えへへ、今日はゲストが来るのですよーっ!」
#BR
……ああ、なんか言ってたなそんなコト。丸一日誰とも話して...
僕自身は誰が来るのか知らないのだが、まぁ、コウにとって...
はぁ、と僕は息を吐いた。寝たいんだけどなー。正直、眠り...
#BR
「……そうですか。まぁ、邪魔はしないので頑張ってください」
「うん。解いてくれてありがとねー」
#BR
言うが早いかタップダンスのような動きを始めるコウ。
僕はその姿を数秒ほど眺め、ダンスホールもどきになってい...
ドアを後ろ手に閉め、そのまま横手へと声を掛ける。
#BR
「と言うか。見てたなら助けてくださいよ、前摂政」
「やぁよメンドクサイ」
#BR
けらけらと笑いながらそう言うのは、僕とコウとのやりとり...
#BR
「ところで四条クン、おうさま知らない?」
「さっきあっちに走って行きましたけど」
「そ。アリガト。おうさまが居ないとアタシにお仕事廻って来...
「……コメントは差し控えます」
#BR
本音を言うと、仕事しろよアンタら。人にネズミ捕りに行か...
ふふん、と小さく笑うかちゅーしゃ前摂政。その笑みは、ま...
#BR
「じゃ、アタシは行くわねん」
「はい――っと、そうだ。今日のゲストのコトですけど。準備っ...
「出来てると思う?」
「いえ全然」
#BR
裏方に廻るの苦手な人ばっかで、廻る人はいつも忙しいから...
かちゅーしゃは愉快そうにけらけらと笑い、ぽん、と僕の肩...
#BR
「任せたわん」
#BR
……だろうなぁ。やっぱそうなるよなぁ。
はぁ、と僕は息を吐いた。それが諦めか開き直りか、僕にも...
#BR
「んじゃ人を使わせてもらいますよ。あと場所は……どうせなら...
「どうせなら盛大にやってねぇん」
「分かってますよ。文句は山ほどありますけど」
#BR
……まぁ。
まるで童心に帰ったかのように今日のダンスを心待ちにする...
しゃあないな、と思ってしまうというか。
ばいば〜い、と手を振りながら去っていくかちゅーしゃ前摂...
その後、誰も手をつけていなかったパーティ会場のセッティ...
#BR
#HR
#BR
**イベント06:募集03提出 [#h133d3a4]
#br
#hr
#br
***絢人様作『今からゲームを開始するひとのためのガイド』 [...
#br
#hr
#br
電網適応アイドレスをはじめるかる方へ、このゲームは【お...
びろーんと伸びる柔かさを持ち、醤油でも、あんこでも、き...
・『絵を描く』ことが好きならば、このゲームの世界を、創り...
・『文章を書く』ことが好きならば、このゲームの世界を、広...
・『情報をまとめる』のが好きならば、このゲームの世界を、...
#BR
え、どれも自信がない?
大丈夫です、今みんながしているのは、お餅を叩いて、こねて...
この作業は確かに楽しいですが、一番面白いのは、出来たて...
#BR
もうすぐ今プレイしている人々によって、お餅が焼きあがろ...
せっかく作った【お餅】。皆で食べた方が美味しいに決まっ...
役に立たないなんてことありません。この楽しいゲームを見...
#BR
参加資格なんてものは元々ありません、まずは【ゲームの世...
世界がつまらなかったら、狭く思えたら面白くしようとちょ...
世界は【お餅】ですから、簡単に形が変わります。貴方でも...
ただ一緒に、囲炉裏を囲んでわいわい食事をするだけでも、...
#BR
#HR
#BR
**イベント09:物語で見る各国の戦争準備状況提出SS[#h133d3a4]
#BR
#HR
#BR
***四条 あや様作『物語で見る戦時状況』 [#gb405b00]
#BR
#HR
#BR
羅幻王国王都中央区。
普段は陽気な国民たちで溢れかえるその区域も、今日ばかり...
#BR
「志願工兵受付所はどっち!?」
「馬鹿、そりゃ西区国民窓口だこっちじゃねぇ!!」
「整備工具追加三ダース発注です! 第七工廠!」
「手の空いてる奴はリフト使え! おい其処の馬鹿、エレカー...
#BR
国民中央窓口の前にごったがえす国民と、職員たち。絶え間...
戦時発令から、僅か1時間である。昼前に羅幻雅貴伯爵夫人...
#BR
#BR
#BR
羅幻王国、宮廷。
戦時用特殊書類の束に次々と認証のサインを記す羅幻雅貴の...
執務室の机に着き、自分の背丈ほどはあろうかという書類の...
#BR
「忙しそうね、おうさま」
#BR
のほほんとした声を掛けるのは、傍に控えたかちゅーしゃで...
#BR
「まあ、場合が場合だしね」
#BR
普段なら声を掛けられたこと幸いと雑談に移る雅貴であるが...
#BR
「流石に我が国のピンチとなっちゃ、ふざけてる暇もないでし...
「偶には同意しておくとしましょ。で、既にチェック済みの書...
#BR
黙って頷く雅貴。
かちゅーしゃは失礼、と柄にも無く殊勝に断り、雅貴が既に...
かちゅーしゃは羅幻王国の前摂政である。その以前の地位と...
なので、王国が戦時状況と認定された以上、かちゅーしゃに...
しかし、
#BR
「オッケー、おうさま。これで私が動けるわ」
#BR
その原則もまた、藩王の権限でもって覆すことは可能である。
かちゅーしゃは受け取った書類を脇に抱えると、空いた手で...
椅子に座ったかちゅーしゃは首を鳴らすと、傍らのペンを手...
#BR
「おうさまー、食糧備蓄ってどのくらいあったっけー?」
「6ヶ月分はあるけど、うち2ヶ月分は今からじゃ回収が難し...
「りょーかい。んじゃ食糧流通は一旦管理下に置くわよー?」
「任せるー」
#BR
妙に間延びした会話をしながらも、二人の手は平時のおちゃ...
もしこの場に他の誰かが居たのなら、思わず自分の頬を抓っ...
#BR
「……ねえ、おうさま」
#BR
ふと。
しんみりとした声で、かちゅーしゃが雅貴に声を掛けた。
#BR
「なに?」
「護りたいわね。この国」
「――」
#BR
サインを走らせていた羅幻雅貴伯爵夫人は、その言葉にきょ...
#BR
「何言ってるのよ」
#BR
にやりと笑い、呟いた。
#BR
「護ってみせるに決まってるじゃない」
#BR
#hr
#BR
***羅幻雅貴&四方無畏リレー小説『飛べ、その翼よ』 [#p8731...
#BR
#hr
#BR
羅幻王国は、突然の戦時動員開始にどたばたしていた。燃料...
#BR
「う、ウチ、このままじゃ藩国落ちしちゃうにゃ〜! 皆路頭...
#BR
猫尻尾も猫耳もへちょんとしながら涙流しつつ、とりあえず...
#BR
「そんな事させませんから、必死で仕事してください。こちら...
#BR
そう言いつつ金策に必死になっている軍師殿……蓮田屋藤乃も...
#BR
「お〜ぃ、暇なやつは表出て来い! 我が渾身の作品のお披露...
#BR
こんな時にこんな能天気な声を出すやつは四方無畏以外、こ...
#BR
「む? 折角新型のヘリを開発したというのに、なんで誰も反...
#BR
新型のヘリ、その言葉が口から出た瞬間に全員が反応した。
#BR
「新型ですってえ〜! そんなもん作ってるヒマあるならお金…...
#BR
ここで、ふと思った羅幻王。
#BR
(もしかしたら、これを売れば稼げるかもしれない)
#BR
……でも、この自称天才の技族――四方無畏は、よくモノを爆発...
#BR
「よし……これを売っぱらうわよ! 誰かテスト飛行させて、あ...
「アイドレスは出すんですか?」
「出して。パイロットで良い筈よ。……お金は、ポケットマネー...
「判りました。流石藩王、太っ腹です」
「父上のポケットマネーもあるから。でも、殆どこれで消えち...
#BR
少し弱々しい表情で、羅幻王は笑う。厳しい国家予算から少...
#BR
#BR
#BR
#BR
#BR
さて、演習場に集められたパイロット達は皆一様に不安げな...
そんな彼らの顔と対照的に無畏の顔は非常に嬉しそうである。
#BR
「お任せください! この天才の開発した物ですぞ! 失敗な...
#BR
ちなみに、失敗して発明品を爆発させた時にも同じような事...
#BR
「あ、今回の新型ヘリは輸送用なので武装はつけられておりま...
#BR
微妙に安心なんだかそうでないんだかわからない台詞を吐い...
#BR
(これは仕事、これは仕事)
#BR
と、自分に心の中で言いきかせながら、集まった彼らを見て口...
#BR
「とりあえず、今出せる予算は王様のポケットマネーだけです...
#BR
実際、時間が無いし、金もない。だが、最悪の状況下であっ...
#BR
「失敗した場合、諸君の給料はほぼ半分以上カットされると思...
「は、はいっ!」
「では、早速作業に移って下さい! 急いで!!」
#BR
その言葉と共に散開した吏族とパイロット達が設計図と機体...
予算がない、という条件なら、過去に何度もクリアしてきた...
#BR
「まったく、時間も金も……人すらも足りないみたいねェ」
「……どうする……どうすればいい……」
「簡単ヨ。人がナイならひっぱってくればイイじゃなーい? ...
「そ、そうか! 時間が無いなら人を集めろ、金も無いならバ...
#BR
この言葉を合言葉に、使えそうな物・人は片っ端から集めら...
何故なら、誇り高き羅幻王国が準藩国に落ちるなど、羅幻王...
#BR
まさに『国家の興亡、この一機にあり』である。
#BR
そしてそれを判っている政府上層部もまた、動き出していた...
さらに、羅幻王と宰相ルクスは必死に他国に売り込み攻勢を...
#BR
国家の全ては、無畏の一機に掛けられていたのである。ただ...
#BR
「時間は後……ぎりぎり、か」
「それでもなんとかするしかないデショ? ウチは技術立国な...
#BR
普段ギャグばかりで外道なはずのかちゅーしゃ前摂政が、針...
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その頃、現場では、悲鳴や怒号が飛び交っていた。
#BR
「くそー、なんでこんなにめちゃくちゃー!? これじゃすぐ爆...
#BR
技族のトップエースである茉乃瀬桔梗がぎりぎりぎりとスパ...
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「やかましい! そこはだな、装甲の薄さを補うための……」
#BR
そしてすでに無畏は手が足りない為に柱に縛られてわめくだ...
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「さ、これで大丈夫なはずだ。パイロットの諸君もう一頑張り...
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日もすっかり沈んだ頃にようやく茉乃瀬桔梗の声が上がった...
#BR
「がんばれ、まずは飛ぶ事からなんだ…!」
#BR
がんばれ、がんばれ、がんばれ。小さく小さく、誰かの声が...
#BR
すなわち――『飛べ』と。
#BR
「頑張れ! 僕たちの誇りを乗せて! 未来を乗せて! 頑張...
「行け! 俺達の未来はお前に掛かってるんだ!」
「がんばって! お願い! 飛んで!!」
「いけ! 行くんだ! 飛んでくれ!!」
「さあ、飛ぶのヨ! 貴方の翼は、そのためにあるんだから!」
#BR
茉乃瀬桔梗が叫び、ぱんくすも叫ぶ。比月コウが願いを込め...
そして、二つのローターは唸り声と共に、風を纏いゆっくり...
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そうして、皆が感動の余韻に浸っているその時、格納庫の奥...
#BR
「よし、できたーー!!」
#BR
なんだなんだとその場にいたほぼ全員が格納庫に戻って中を...
#BR
「な、何が出来たんですか?」
#BR
羅幻王が恐る恐ると聞くと、無畏はよくぞ聞いてくれた、と...
#BR
「うむ、さっきのヘリなど比べ物にならんほどの大発明をした...
「おぉ! それはすごい!?」
「うむ、まぁ、製造費がざっと……50億くらいかかるがたいした...
「…………さ、片付けを始めましょうか。」
#BR
値段を聞いて固まっていた人々がその羅幻王の言葉で我に返...
#BR
「おぃ! 我輩の話をちゃんと聞いていけ! 決して50億でも...
#BR
ほとんど人のいなくなった格納庫の隅で無畏は柱に縛られた...
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どっとはらい。
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終了行:
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***四条 あや様作『羅幻王国文族の憂鬱 〜 比月コウのとあ...
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いつの間にか溜まっていた書類仕事が全部片付いたのは、結...
僕は書類の束を通り掛かったメイドに渡し、丸一日篭ってい...
白亜の廊下をてくてくと歩く。思わずあくびが洩れそうにな...
#BR
「……いかん。帰って寝よう」
#BR
どうにも腐りかかってる自分の意識を宥めながら、一路、宿...
これじゃ不健康とか言われてもしょうがないよなー、とかぼ...
廊下を歩いていると、結構な人数とすれ違った。まぁなにせ...
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「――ちょっと待て。なんだそれ」
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思わず足を止め、僕は呟いていた。来た廊下を戻り、件の部...
すると、
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「あ、やっほー四条君」
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部屋の中央で、テーブルクロスにぐるぐる巻きにされた比月...
とりあえず、ドアを閉めてその場を立ち去ることにする。
しかし、
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「あ、こらー! 無視するなー!!」
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ドアの向こうから非難めいた叫び声が鳴り響き、僕は足を止...
悲嘆に暮れても仕方ないので、僕は再びドアの前に立ちそれ...
部屋の中央にはテーブルクロスに包まれたコウが転がってい...
……頭痛くなってきた。
#BR
「何やってんですか、アンタ」
「ダンスの練習」
#BR
さて。どうしようこのナマモノ。
#BR
「あ、その目は信じてないね?」
「無駄に明察ですね。と言うかどう信じろって言うんですか」
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部屋の中は妙にがらんとしているが、その理由は直ぐに知る...
ちっちっち、とコウは芋虫みたいなかっこうのまま器用に指...
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「分かってないね。コレが共和国最先端の」
「じゃあ行きますね僕」
「ちょ、待ちなさいよ! 人の話は最後まで聞きなさい!!」
「眠いんだよ寝させてよ頼むから僕を巻き込まないでよっ!」
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もう二日ほど寝てないんだよぅ。
そんな僕の嘆願は、しかし目の前の芋虫には聞き届けられな...
ふふん、と何故か偉そうに胸を反らすコウ。
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「そう思うなら私を手伝いなさい?」
「……時々、君と本当に意思疎通が出来てるのか疑問に思うんだ...
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何を手伝わせる気か知らないけど、簡単な内容ならとっとと...
僕の言葉に、そうね、と頷いたコウはしばしば考えるように...
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「とりあえずコレ、解いて」
「やっぱ馬鹿だろアンタ」
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素直に感想を述べると脛に頭突きをされた。
あまりの痛さに蹲る僕。
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「ほら、さっさと解きなさい」
「……」
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逆らわぬが吉。
僕はようやくその結論に至り、コウの身体をぐるりと覆った...
そのままコウは、勢いがつきすぎたのかそのまま壁際まで転...
壁にぶつかったコウは暫くの間ぴくりともしなかったが、や...
と。
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「お?」
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立ち上がったコウの姿を見て、僕は思わず声を洩らしていた...
おでこにでっけぇたんこぶを作って。
……一瞬でもときめいた僕が馬鹿だった。
てくてくとこちらに戻ってきたコウは満足そうに頷くと、
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「てりゃ♪」
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と可愛らしく言いながら僕に小奇麗なアッパーをかましてく...
軽く浮いて盛大にふっとぶ僕。くそぅ、僕と大して変わらな...
ぐわんぐわん揺れる頭で愚痴をこぼすが、そんなのが聞こえ...
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「……で」
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立ち上がりながら問う僕。
色々な意味で限界なのだが、ああ、もう。
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「結局何やってたんですか、コウさん」
「ん? だから、ダンスの練習」
「何でまた唐突に」
「えへへ、今日はゲストが来るのですよーっ!」
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……ああ、なんか言ってたなそんなコト。丸一日誰とも話して...
僕自身は誰が来るのか知らないのだが、まぁ、コウにとって...
はぁ、と僕は息を吐いた。寝たいんだけどなー。正直、眠り...
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「……そうですか。まぁ、邪魔はしないので頑張ってください」
「うん。解いてくれてありがとねー」
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言うが早いかタップダンスのような動きを始めるコウ。
僕はその姿を数秒ほど眺め、ダンスホールもどきになってい...
ドアを後ろ手に閉め、そのまま横手へと声を掛ける。
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「と言うか。見てたなら助けてくださいよ、前摂政」
「やぁよメンドクサイ」
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けらけらと笑いながらそう言うのは、僕とコウとのやりとり...
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「ところで四条クン、おうさま知らない?」
「さっきあっちに走って行きましたけど」
「そ。アリガト。おうさまが居ないとアタシにお仕事廻って来...
「……コメントは差し控えます」
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本音を言うと、仕事しろよアンタら。人にネズミ捕りに行か...
ふふん、と小さく笑うかちゅーしゃ前摂政。その笑みは、ま...
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「じゃ、アタシは行くわねん」
「はい――っと、そうだ。今日のゲストのコトですけど。準備っ...
「出来てると思う?」
「いえ全然」
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裏方に廻るの苦手な人ばっかで、廻る人はいつも忙しいから...
かちゅーしゃは愉快そうにけらけらと笑い、ぽん、と僕の肩...
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「任せたわん」
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……だろうなぁ。やっぱそうなるよなぁ。
はぁ、と僕は息を吐いた。それが諦めか開き直りか、僕にも...
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「んじゃ人を使わせてもらいますよ。あと場所は……どうせなら...
「どうせなら盛大にやってねぇん」
「分かってますよ。文句は山ほどありますけど」
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……まぁ。
まるで童心に帰ったかのように今日のダンスを心待ちにする...
しゃあないな、と思ってしまうというか。
ばいば〜い、と手を振りながら去っていくかちゅーしゃ前摂...
その後、誰も手をつけていなかったパーティ会場のセッティ...
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**イベント06:募集03提出 [#h133d3a4]
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***絢人様作『今からゲームを開始するひとのためのガイド』 [...
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電網適応アイドレスをはじめるかる方へ、このゲームは【お...
びろーんと伸びる柔かさを持ち、醤油でも、あんこでも、き...
・『絵を描く』ことが好きならば、このゲームの世界を、創り...
・『文章を書く』ことが好きならば、このゲームの世界を、広...
・『情報をまとめる』のが好きならば、このゲームの世界を、...
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え、どれも自信がない?
大丈夫です、今みんながしているのは、お餅を叩いて、こねて...
この作業は確かに楽しいですが、一番面白いのは、出来たて...
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もうすぐ今プレイしている人々によって、お餅が焼きあがろ...
せっかく作った【お餅】。皆で食べた方が美味しいに決まっ...
役に立たないなんてことありません。この楽しいゲームを見...
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参加資格なんてものは元々ありません、まずは【ゲームの世...
世界がつまらなかったら、狭く思えたら面白くしようとちょ...
世界は【お餅】ですから、簡単に形が変わります。貴方でも...
ただ一緒に、囲炉裏を囲んでわいわい食事をするだけでも、...
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**イベント09:物語で見る各国の戦争準備状況提出SS[#h133d3a4]
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***四条 あや様作『物語で見る戦時状況』 [#gb405b00]
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羅幻王国王都中央区。
普段は陽気な国民たちで溢れかえるその区域も、今日ばかり...
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「志願工兵受付所はどっち!?」
「馬鹿、そりゃ西区国民窓口だこっちじゃねぇ!!」
「整備工具追加三ダース発注です! 第七工廠!」
「手の空いてる奴はリフト使え! おい其処の馬鹿、エレカー...
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国民中央窓口の前にごったがえす国民と、職員たち。絶え間...
戦時発令から、僅か1時間である。昼前に羅幻雅貴伯爵夫人...
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羅幻王国、宮廷。
戦時用特殊書類の束に次々と認証のサインを記す羅幻雅貴の...
執務室の机に着き、自分の背丈ほどはあろうかという書類の...
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「忙しそうね、おうさま」
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のほほんとした声を掛けるのは、傍に控えたかちゅーしゃで...
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「まあ、場合が場合だしね」
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普段なら声を掛けられたこと幸いと雑談に移る雅貴であるが...
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「流石に我が国のピンチとなっちゃ、ふざけてる暇もないでし...
「偶には同意しておくとしましょ。で、既にチェック済みの書...
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黙って頷く雅貴。
かちゅーしゃは失礼、と柄にも無く殊勝に断り、雅貴が既に...
かちゅーしゃは羅幻王国の前摂政である。その以前の地位と...
なので、王国が戦時状況と認定された以上、かちゅーしゃに...
しかし、
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「オッケー、おうさま。これで私が動けるわ」
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その原則もまた、藩王の権限でもって覆すことは可能である。
かちゅーしゃは受け取った書類を脇に抱えると、空いた手で...
椅子に座ったかちゅーしゃは首を鳴らすと、傍らのペンを手...
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「おうさまー、食糧備蓄ってどのくらいあったっけー?」
「6ヶ月分はあるけど、うち2ヶ月分は今からじゃ回収が難し...
「りょーかい。んじゃ食糧流通は一旦管理下に置くわよー?」
「任せるー」
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妙に間延びした会話をしながらも、二人の手は平時のおちゃ...
もしこの場に他の誰かが居たのなら、思わず自分の頬を抓っ...
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「……ねえ、おうさま」
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ふと。
しんみりとした声で、かちゅーしゃが雅貴に声を掛けた。
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「なに?」
「護りたいわね。この国」
「――」
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サインを走らせていた羅幻雅貴伯爵夫人は、その言葉にきょ...
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「何言ってるのよ」
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にやりと笑い、呟いた。
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「護ってみせるに決まってるじゃない」
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***羅幻雅貴&四方無畏リレー小説『飛べ、その翼よ』 [#p8731...
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羅幻王国は、突然の戦時動員開始にどたばたしていた。燃料...
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「う、ウチ、このままじゃ藩国落ちしちゃうにゃ〜! 皆路頭...
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猫尻尾も猫耳もへちょんとしながら涙流しつつ、とりあえず...
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「そんな事させませんから、必死で仕事してください。こちら...
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そう言いつつ金策に必死になっている軍師殿……蓮田屋藤乃も...
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「お〜ぃ、暇なやつは表出て来い! 我が渾身の作品のお披露...
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こんな時にこんな能天気な声を出すやつは四方無畏以外、こ...
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「む? 折角新型のヘリを開発したというのに、なんで誰も反...
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新型のヘリ、その言葉が口から出た瞬間に全員が反応した。
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「新型ですってえ〜! そんなもん作ってるヒマあるならお金…...
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ここで、ふと思った羅幻王。
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(もしかしたら、これを売れば稼げるかもしれない)
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……でも、この自称天才の技族――四方無畏は、よくモノを爆発...
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「よし……これを売っぱらうわよ! 誰かテスト飛行させて、あ...
「アイドレスは出すんですか?」
「出して。パイロットで良い筈よ。……お金は、ポケットマネー...
「判りました。流石藩王、太っ腹です」
「父上のポケットマネーもあるから。でも、殆どこれで消えち...
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少し弱々しい表情で、羅幻王は笑う。厳しい国家予算から少...
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さて、演習場に集められたパイロット達は皆一様に不安げな...
そんな彼らの顔と対照的に無畏の顔は非常に嬉しそうである。
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「お任せください! この天才の開発した物ですぞ! 失敗な...
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ちなみに、失敗して発明品を爆発させた時にも同じような事...
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「あ、今回の新型ヘリは輸送用なので武装はつけられておりま...
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微妙に安心なんだかそうでないんだかわからない台詞を吐い...
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(これは仕事、これは仕事)
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と、自分に心の中で言いきかせながら、集まった彼らを見て口...
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「とりあえず、今出せる予算は王様のポケットマネーだけです...
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実際、時間が無いし、金もない。だが、最悪の状況下であっ...
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「失敗した場合、諸君の給料はほぼ半分以上カットされると思...
「は、はいっ!」
「では、早速作業に移って下さい! 急いで!!」
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その言葉と共に散開した吏族とパイロット達が設計図と機体...
予算がない、という条件なら、過去に何度もクリアしてきた...
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「まったく、時間も金も……人すらも足りないみたいねェ」
「……どうする……どうすればいい……」
「簡単ヨ。人がナイならひっぱってくればイイじゃなーい? ...
「そ、そうか! 時間が無いなら人を集めろ、金も無いならバ...
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この言葉を合言葉に、使えそうな物・人は片っ端から集めら...
何故なら、誇り高き羅幻王国が準藩国に落ちるなど、羅幻王...
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まさに『国家の興亡、この一機にあり』である。
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そしてそれを判っている政府上層部もまた、動き出していた...
さらに、羅幻王と宰相ルクスは必死に他国に売り込み攻勢を...
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国家の全ては、無畏の一機に掛けられていたのである。ただ...
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「時間は後……ぎりぎり、か」
「それでもなんとかするしかないデショ? ウチは技術立国な...
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普段ギャグばかりで外道なはずのかちゅーしゃ前摂政が、針...
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その頃、現場では、悲鳴や怒号が飛び交っていた。
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「くそー、なんでこんなにめちゃくちゃー!? これじゃすぐ爆...
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技族のトップエースである茉乃瀬桔梗がぎりぎりぎりとスパ...
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「やかましい! そこはだな、装甲の薄さを補うための……」
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そしてすでに無畏は手が足りない為に柱に縛られてわめくだ...
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「さ、これで大丈夫なはずだ。パイロットの諸君もう一頑張り...
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日もすっかり沈んだ頃にようやく茉乃瀬桔梗の声が上がった...
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「がんばれ、まずは飛ぶ事からなんだ…!」
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がんばれ、がんばれ、がんばれ。小さく小さく、誰かの声が...
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すなわち――『飛べ』と。
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「頑張れ! 僕たちの誇りを乗せて! 未来を乗せて! 頑張...
「行け! 俺達の未来はお前に掛かってるんだ!」
「がんばって! お願い! 飛んで!!」
「いけ! 行くんだ! 飛んでくれ!!」
「さあ、飛ぶのヨ! 貴方の翼は、そのためにあるんだから!」
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茉乃瀬桔梗が叫び、ぱんくすも叫ぶ。比月コウが願いを込め...
そして、二つのローターは唸り声と共に、風を纏いゆっくり...
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そうして、皆が感動の余韻に浸っているその時、格納庫の奥...
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「よし、できたーー!!」
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なんだなんだとその場にいたほぼ全員が格納庫に戻って中を...
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「な、何が出来たんですか?」
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羅幻王が恐る恐ると聞くと、無畏はよくぞ聞いてくれた、と...
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「うむ、さっきのヘリなど比べ物にならんほどの大発明をした...
「おぉ! それはすごい!?」
「うむ、まぁ、製造費がざっと……50億くらいかかるがたいした...
「…………さ、片付けを始めましょうか。」
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値段を聞いて固まっていた人々がその羅幻王の言葉で我に返...
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「おぃ! 我輩の話をちゃんと聞いていけ! 決して50億でも...
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ほとんど人のいなくなった格納庫の隅で無畏は柱に縛られた...
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どっとはらい。
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